禁煙や節煙を考え始めたとき、多くの人が「タバコの代わりになるもの」を探し始めます。日本では成人喫煙率が約15~16%まで低下していますが、依然として約1,400万人の喫煙者がおり、そのうち2割程度が禁煙を希望しています。
※参考 : 健康ネット | 最新タバコ情報 | 成人喫煙率(厚生労働省国民健康・栄養調査)
喫煙は肺がんや心臓病などの疾患リスクを高め、周囲の健康にも悪影響を与えるため、禁煙のメリットは非常に大きいと言えるでしょう。しかし、長年の習慣によって体に染みついたニコチン依存は強力で、自力での禁煙継続は容易ではありません。
本記事では、禁煙・節煙を成功させるための様々な代替品や禁煙グッズ、ストレス解消法を徹底解説します。
電子タバコやニコチンガムなどの代用品から、深呼吸や軽い運動などの行動置き換えまで、あなたに合った禁煙サポート方法を見つけることで、無理なく健康的な生活への一歩を踏み出せるでしょう。
タバコの代わりになるものおすすめ7選

禁煙中や減煙中に「何か物足りない」「口寂しい」と感じるときに役立つ代用品は数多くあります。
その中でも、特に多くの人に利用されている代表的なものを7つ厳選しました。
- フリスク・ミンティア
- 電子タバコ(VAPE)/加熱式タバコ
- フレーバースティック(禁煙パイポ 等)
- 飴・ガム・グミなどのお菓子
- ニコチンガム・ニコチンタブレット
- ノンニコチンタバコ(ハーブ煙草など)
- 禁煙補助薬(処方薬・ニコチン代替療法)
フリスク・ミンティア
まず最初に紹介するのは、ミント系のタブレット菓子であるフリスクやミンティアです。
どちらもコンビニやスーパーで手軽に購入でき、禁煙や減煙のお供として定番となっています。強い清涼感が特徴の小さなタブレットが、喫煙者の「口が寂しい」という感覚を紛らわせてくれるでしょう。
メリット:口寂しさを手軽に解消できる/爽快感で気分転換できる
禁煙中は、ついタバコを吸いたくなってしまう習慣的欲求として「何かを口に入れておきたい」という衝動が起こりがちです。
フリスクやミンティアのようなミントタブレットは、こうした口寂しさを手軽に解消できるアイテムです。舌の上でスッと溶けるミントの強い清涼感が口内をスッキリさせ、爽快感による気分転換にも役立ちます。
ニコチンを含まないため体への害もなく、仕事中や運転中でも手軽に口にできる点も魅力です。
実際に禁煙経験者の中には、「吸いたくなったらとにかくフリスクを数粒口に放り込んで乗り切った」という声もあるほど、手軽な対策として広く活用されています。
デメリット:喫煙欲求の根本的な解決にはならない
ミントタブレットは口元の寂しさを紛らわせる程度の対処療法で、ニコチン欲求そのものを取り除く効果はありません。強い喫煙衝動にはミントの刺激だけでは不十分で、結局タバコに手が伸びることも。
また、過剰摂取すれば香料や添加物の摂り過ぎになる恐れもあります。フリスクやミンティアは一時しのぎと割り切り、本格的な禁煙対策と併用するのが望ましいでしょう。
ミント菓子は禁煙の補助として活用しつつも、根本的な解決策ではないことを理解しておくことが大切です。
電子タバコ(VAPE)/加熱式タバコ
近年普及している電子タバコ(VAPE)や加熱式タバコ(例:IQOS、glo、Ploomなど)は、紙巻きタバコに代わる新しい喫煙スタイルとして注目されています。
いずれも従来のようにタバコ葉を燃焼させず、蒸気や加熱によってニコチンやフレーバーを摂取する製品です。紙巻きタバコ特有の煙や灰が出ないことから、室内や周囲の人への影響も少ないと言われています。
メリット:紙巻きタバコより有害物質が少ない
電子タバコや加熱式タバコの最大の利点は、従来の紙巻きタバコより有害物質が大幅に少ないことです。タバコ葉を直接燃やさないため、一酸化炭素やタールなどの有害物質量が減少します。
調査では加熱式タバコからのホルムアルデヒド(発がん性物質)排出量が紙巻きタバコの約10分の1程度だったと報告されています。
ニコチン以外の有害成分摂取を抑えることで健康被害リスクを減らし、周囲への受動喫煙による悪影響も軽減できると期待されています。また、煙や灰が出ず服や部屋に匂いが付きにくいことも利用者にとって大きなメリットです。
デメリット:長期的な健康リスクの懸念がある
健康への長期的影響は研究段階で、有害物質は少ないものの微量の発がん性物質や刺激物質は検出されており、「完全に無害」とは言えません。
両製品とも比較的新しいため、長期的な健康への影響が十分に解明されていないのが現状です。
新型タバコへの移行は禁煙への一歩となり得ますが、あくまで害を減らすための手段に過ぎないことを理解しておきましょう。
フレーバースティック(禁煙パイポ 等)
フレーバースティックとは、いわゆる「禁煙パイポ」に代表されるようなタバコそっくりの棒状グッズです。
ミントや果実などの香りが付けられており、火を付けずにそのまま咥えたり吸ったりして使用します。見た目や使用感をタバコに近づけることで、禁煙時の心理的な物足りなさを紛らわせるために開発されたアイテムです。
メリット:「手にタバコ様のものを持っている」という心理的な満足感がある
禁煙パイポなどのフレーバースティックは、手や口の寂しさを埋めるのに効果的です。煙やニコチンを摂取しなくても、タバコに似た形状のものを手に持ち口に咥える行為自体が喫煙習慣の代替となり、心理的満足感を得られます。
長年の喫煙者は喫煙の所作が生活の一部になっているため、このクセをフレーバースティックで置き換えることで落ち着きを取り戻しやすくなります。
様々な香り付きがあり、爽やかなハーブやミントの香りでリラックス効果を感じる人も。1980年代には「私はこれでタバコをやめました」というCMで有名になった禁煙パイポは、数百円程度と安価で繰り返し使える点も魅力です。
デメリット:本物のタバコではないので満足できない場合がある
一方で、フレーバースティックはあくまで疑似的なタバコのため、人によっては物足りなさが残る場合があります。
ニコチンが含まれていないため当然ながら喫煙による生理的な満足感(ニコチン摂取によるリラックス効果等)は得られず、重度の喫煙者ほど「やはり本物のタバコが吸いたい」という気持ちが強くなってしまうこともあります。
また、タバコと形状が似ていることでかえってタバコを連想してしまい、余計に吸いたくなるという声もあります。
場合によってはストレスを感じてイライラが増してしまう可能性もあるため、「お守り代わり」として携帯しつつ、無理のない範囲で利用することが望ましいでしょう。
フレーバースティックでどこまで満足できるかは人それぞれですので、過度な期待は禁物と言えるかもしれません。
飴・ガム・グミなどのお菓子
禁煙中に口寂しさを紛らわせる方法として昔からよく使われるのが、飴玉やチューインガム、グミといったお菓子類です。
タバコを吸いたくなった瞬間に代わりに甘いものを口に入れることで、一時的に欲求を抑える作戦です。
コンビニでも簡単に手に入り、費用もあまりかからないため、多くの禁煙挑戦者が実践しています。
メリット:コンビニでも売っており手軽に口寂しさを解消できる
飴やガムなどのお菓子は、入手のしやすさと種類の豊富さが大きな魅力です。コンビニエンスストアやスーパーで手軽に買えるため、思い立ったときにすぐ試せます。
甘い味や噛む行為そのものがリラックス効果をもたらし、タバコを吸いたい気持ちを紛らわせるのに役立ちます。特にガムを噛む行為は顎を動かすため、緊張を和らげる効果も期待できます。
また、ノンシュガーのガムや低カロリーのお菓子を選べば、カロリーを気にせず長時間口寂しさを紛らわせることができます。実際に禁煙に成功した人の中には、「吸いたくなったらミントガムを噛んで乗り切った」という声も多く聞かれます。
なお、ガム以外にも噛み応えのある干し昆布や氷などを口にするのも、空いた口や時間を紛らわせる方法として有効です。
デメリット:カロリー過多による健康被害の恐れがある
お菓子に頼りすぎると摂取カロリーの増加の恐れがあります。飴やグミには砂糖が多く含まれるものがあり、頻繁に摂取すると糖分の過剰摂取につながり、体重増加や虫歯などの新たな健康リスクが生じる可能性があります。
禁煙した人の中には食欲が増して太ってしまうケースも珍しくありません。また、ガムを噛みすぎると顎関節への負担や、胃腸にガスが溜まるといった問題も。
お菓子による対処はあくまで適度に行い、可能であれば低糖質のものを選ぶなど工夫するとよいでしょう。禁煙による一時的な体重増加は健康面のメリットに比べれば小さな問題であり、食生活と適度な運動で対処できます。
ニコチンガム・ニコチンタブレット
禁煙補助として医薬品扱いで販売されているニコチンガムやニコチンタブレット(ニコチン含有のトローチ・飴)は、ニコチン置換療法(NRT: Nicotine Replacement Therapy)の一つです。
先ほど触れた普通のガムや飴とは異なり、これらには微量のニコチンが含まれており、タバコを吸わなくてもニコチンだけ体内に取り入れることができます。
薬局で購入でき、禁煙外来に行かずとも始められる禁煙グッズとして多くの人に利用されています。なお、ニコチンを補充する製剤としてはガムやタブレットの他にも、皮膚に貼るニコチンパッチや、医療用のニコチン吸入剤などもあります。
メリット:ニコチン離脱症状を和らげる効果がある
ニコチンガム・タブレットの最大の利点は、禁煙開始後に現れるニコチン離脱症状を軽減できることです。
タバコを断つと、イライラや頭痛、強い喫煙欲求などの離脱症状が通常2~3日目をピークに現れますが、ニコチンガムを使用すると少量のニコチンが体内に吸収され、急激なニコチン不足による辛さを和らげることができます。
※参考 : 禁煙の準備 – 禁煙7日前から行う、禁煙のコツを教えます!《準備編》 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
自力で我慢するよりも禁煙成功率が約1.5倍高まるとも言われています。禁煙補助薬として正式に認可されており、効果と安全性が確認されています。
ただし、ニコチンガムは普通のガムと異なり、ゆっくり噛んで苦味を感じたらほおの内側にあてる特殊な使用法が必要で、これを守ることでニコチンの吸収効率が高まり副作用も軽減できます。
デメリット:ニコチン依存が完全に解消されるわけではない
ニコチンガムやタブレットは「ニコチンを経口摂取している」点でタバコと共通しており、形は変わってもニコチンを摂り続けているため、ニコチン依存そのものがすぐになくなるわけではありません。
長期間使い続けると、ニコチンから抜け出せず依存状態が続いてしまう恐れがあります。実際、何ヶ月も噛み続けたり、やめるタイミングを掴めず悩むケースも報告されています。
また、ガムの辛味やタブレットの味が合わず、吐き気や喉の違和感といった副作用を感じる人もいます。重い副作用が現れた場合は医師に相談しましょう。
使用にあたっては一時的なステップと位置づけ、徐々に量を減らしていく努力が必要です。最終的には自分の意思でニコチンから離れる覚悟が不可欠です。
ノンニコチンタバコ(ハーブ煙草など)
ノンニコチンタバコとは、その名の通りニコチンを含まないタバコ代用品のことです。一般的にはタバコ葉の代わりにハーブや茶葉、とうもろこしの葉などを加工して作られたハーブ煙草が知られています。
見た目や吸い方は通常の紙巻きタバコとほとんど同じで、火をつけて煙を吸いますが、ニコチンやタールが含まれていないのが特徴です。
メリット:ニコチン・タールなしで喫煙行動を代替できる
ハーブ煙草などのノンニコチンタバコは、喫煙行為そのものを置き換えることができるユニークな代用品です。
口にくわえて火をつけ、煙を吸って吐き出すという一連の行動が通常のタバコと同じため、喫煙のリズムや所作を再現できます。
ニコチンもタールも含まれていないため、依存性のある成分や発がん性物質を摂取せずに済み、身体的な負担は大幅に軽減されます。タバコを吸う感覚だけ味わいたいときや、強い喫煙衝動に駆られたときに、これらの製品で安心感を得られるでしょう。
ハーブの種類によってはリラックス効果のある香りが楽しめるものもあります。近年では茶葉を加工したノンニコチンスティック(ニコレスなど)がコンビニでも販売されており、以前より手軽に入手できるようになっています。
デメリット:喫煙行為への執着は残ってしまう
ノンニコチンタバコはニコチンを含まないとはいえ、煙を吸う行為を行っている点で、喫煙習慣から完全に脱却したことにはなりません。「煙を吸って落ち着く」という心理的なクセが残り、タバコからの卒業が遠のく可能性もあります。
ハーブ煙草は本物のタバコに近いため、「これで満足」と思っていても結局本物に手を出してしまうケースも考えられます。ニコチンがなくても煙を吸うこと自体が肺や喉への刺激となるため、健康への悪影響が懸念されます。
禁煙の最終目標は「何も吸わないこと」である点を忘れず、あくまで移行手段として割り切ることが重要です。また、見た目は普通のタバコと変わらないため、喫煙所以外での使用はマナー違反となるため注意が必要です。
禁煙補助薬(処方薬・ニコチン代替療法)
最後に紹介するのは、医師の指導の下で使用する禁煙補助薬です。
代表的なものに、飲み薬のバレニクリン(商品名: チャンピックス)やブプロピオン(商品名: ザイバン ※海外で用いられる)といった処方薬、そして医療用のニコチンパッチなどがあります。
これらは病院の禁煙外来で処方され、日本では健康保険の適用を受けながら計画的に禁煙に取り組むことができます。
メリット:医学的なアプローチで禁煙成功率が高い
禁煙補助薬を用いる最大のメリットは、専門家のサポートと医学的根拠に基づくアプローチによって、禁煙の成功率が飛躍的に高まる点です。
ニコチンパッチやガムなどのニコチン代替療法では成功率がおよそ1.5倍~1.6倍に向上し、処方薬であるバレニクリンでは約2~3倍にまで高まるというデータがあります。
禁煙外来では医師や看護師から生活習慣のアドバイスや心理的サポートも受けられるため、薬の力と合わせて総合的に禁煙成功へ導いてくれます。
日本では一定の条件を満たせば禁煙治療に健康保険が適用され、12週間の治療で自己負担額はおおよそ2万円前後と比較的安価です。
また、バレニクリン(チャンピックス)にはタバコを吸ったときの満足感を抑制する作用があり、「吸ってもおいしくない」と感じさせることで禁煙を後押しします。
デメリット:医師の処方が必要で副作用のリスクもある
処方薬を使った禁煙にはいくつかのハードルがあります。まず、病院で医師の診察を受け、処方箋をもらう必要があるため、手軽さでは市販の禁煙グッズに劣ります。
忙しくて通院の時間が取れない人や病院に行くことに抵抗がある人にとっては、ハードルが高いかもしれません。また、薬には副作用のリスクがあります。
バレニクリン(チャンピックス)では吐き気や睡眠障害、異常な夢などが報告され、人によっては抑うつ気分やイライラが強く出ることも。ニコチンパッチやガムでも、貼付部位のかぶれや口内の刺激感など軽い副作用が起こることがあります。
さらに、禁煙補助薬を使用しても必ず禁煙できるわけではなく、本人の強い意思と努力も不可欠です。近年ではオンライン診療で禁煙補助薬を処方してもらえるサービスも登場しており、忙しい人でも利用しやすくなっています。
禁煙グッズに頼らないストレス解消法
禁煙を継続する上で、ニコチンによるイライラやストレスとどう向き合うかは非常に重要です。
禁煙グッズや代用品は一定の助けになりますが、それらに頼りすぎず自分自身でストレスを乗り越える方法を身につけておけば、禁煙後の人生にも役立ちます。
ここでは、禁煙中にタバコを吸いたくなったときに試したいストレス解消法を3つ紹介します。
- 吸いたくなったらまずは深呼吸をする
- 軽い運動でリフレッシュする
- 熱中できる新しい趣味を見つける
吸いたくなったらまずは深呼吸をする
強い喫煙欲求に駆られたら、まずその場で深呼吸をしてみましょう。タバコを吸っていた人は、無意識のうちに「深く吸ってゆっくり吐き出す」呼吸法を習慣づけていることがあります。
タバコを手に取る代わりに、鼻からゆっくり息を吸い込み、口から時間をかけて息を吐き出します。この深呼吸を数回繰り返すと、酸素が脳に行き渡りリラックス効果が得られます。
呼吸に意識を向けることで一時的にタバコのことを考えずに済み、強い欲求の波をやり過ごすことができます。「吸いたい」という衝動にすぐ反応せず一呼吸おくことで、喫煙のクセから身体と心を切り離す訓練にも。
どこでもすぐに実践できるシンプルな方法なので、5秒かけて息を吸い、7秒ほどかけて吐き出す「5-7呼吸法」を試してみると、より一層落ち着きを取り戻せるでしょう。
軽い運動でリフレッシュする
タバコを吸いたい欲求が出てきたとき、場所と時間に余裕があれば軽い運動で気分転換するのも効果的です。その場でストレッチをしたり、数分間外の新鮮な空気を吸いながら散歩してみましょう。
体を動かすことで血行が良くなり、脳内から幸福ホルモンとも呼ばれるエンドルフィンが分泌されます。これによりストレスが緩和され、喫煙欲求も和らぎます。
また、運動に意識を集中させることでタバコのことを忘れられるという効果もあります。職場であれば階段を使う、一駅分歩くなど、ちょっとした工夫で構いません。
定期的に運動する習慣をつければ体力向上と禁煙後の健康増進にもつながるため、一石二鳥のストレス解消法です。
強い欲求に襲われたときは、その場で10回ジャンプするなど心拍数を少し上げる動きをすると、気分が変わって効果的です。
熱中できる新しい趣味を見つける
禁煙を機に、新しい趣味や没頭できることを見つけるのもとても有効です。手持ち無沙汰でタバコのことを考えてしまう場合は、「タバコを吸っている暇がない」ほど夢中になれる趣味を始めましょう。
スポーツや楽器演奏、プラモデル作り、料理、パズルゲーム、語学学習など何でも構いません。大切なのは、時間と意識をそちらに向けられるかどうかです。
新しいことに挑戦するワクワク感や上達する喜びは、喫煙による一時的な満足感とは比べものにならない充実感をもたらします。
趣味の場で新たな仲間ができれば、喫煙以外のコミュニケーションや楽しみも増え、タバコの存在が徐々に小さくなっていくでしょう。禁煙はライフスタイルを変えるチャンスでもあるので、この機会に前向きに自分磨きを始めてみてはいかがでしょうか。
タバコの代わりになるものや禁煙に関するよくある質問
最後に、禁煙やタバコの代替品に関して多くの人が疑問に思うポイントをQ&A形式で解説します。
- 禁煙に効果的なビタミンはありますか?
- シーシャはタバコの代わりになりますか?
- 禁煙が一番辛いと感じるのは何日目ですか?
禁煙に効果的なビタミンはありますか?
禁煙に直接効果があるビタミンはありませんが、喫煙者は特にビタミンCが不足しがちです。タバコの煙はビタミンCの吸収を妨げ、体内での代謝を早め、必要量を増加させます。
実際、喫煙者の血中ビタミンC濃度は非喫煙者より40%も低く、尿中への排出率も非喫煙者の約10%に対し喫煙者では約30%にも及びます。
※参考 : ビタミン広報センター
禁煙できない場合は、ビタミンCを積極的に摂取することが推奨されており、「第6次改定日本人の栄養所要量について」では喫煙者、特にヘビースモーカーは非喫煙者の2倍量程度のビタミンC摂取が望ましいとされています。
また、ビタミンB群や葉酸なども喫煙によって失われるため補給が必要です。抗酸化作用のある栄養素としては、ビタミンC(ブロッコリー、キウイなどの果物)、ビタミンA(緑黄色野菜)、ビタミンE(ひまわり油、アーモンド)などがあります。
シーシャはタバコの代わりになりますか?
シーシャ(水タバコ)は、タバコの健全な代わりにはなりません。フレーバー付きの水パイプでゆったり楽しむ喫煙法ですが、使用するシーシャ用タバコにはニコチンやタールが含まれており、健康への有害性があります。
水でろ過するとはいえ、燃焼によって発生した一酸化炭素やタールなど多くの有害物質を吸引することに変わりはありません。
一部報告では、シーシャ1回の喫煙で紙巻きタバコ1本の最大9倍の一酸化炭素と1.7倍のニコチンに晒されるとされています。そのため、「紙巻きタバコよりシーシャの方がマシ」と考えて代わりに始めるのはおすすめできません。
禁煙が一番辛いと感じるのは何日目ですか?
禁煙開始後2~3日目あたりが最も辛い時期だとされています。ニコチンの離脱症状は禁煙開始から48~72時間程度でピークを迎えるため、この頃に強烈なタバコの欲求やイライラ、不眠などの症状が現れやすくなります。
禁煙経験者の多くも「最初の3日間が山場」と口を揃えます。禁煙開始から1週間前後が特に辛い期間で、ここを乗り切れば徐々に症状は和らぎ、1週間~10日ほど経過すると肉体的な離脱症状はかなり落ち着いてくるのが通常です。
個人差はありますが、この「魔の1週間」を耐え抜くことが禁煙成功の大きな関門と言えるでしょう。
心理的な癖として習慣になっていたシチュエーションでの喫煙欲求はしばらく残りますが、3週間~1ヶ月も経過すればかなり薄れていきます。この辛い時期を乗り切るために禁煙補助の活用がおすすめです。
まとめ
タバコの代わりになるものや禁煙中のストレス解消法には、フリスクやミンティアなどの手軽なお菓子、電子タバコ・加熱式タバコ、ニコチンガムや禁煙補助薬まで様々な選択肢があります。
それぞれにメリットとデメリットがあり、自分の性格や生活スタイルに合った方法を見つけ、組み合わせて活用することが大切です。また、禁煙グッズだけでなく、深呼吸や運動、趣味に熱中するといった健全なストレス解消法も取り入れると効果的です。
禁煙は簡単ではありませんが、その先には健康回復や金銭的節約(1日1箱で年間約20万円)、味覚・嗅覚の改善、周囲への受動喫煙の心配がなくなるなど多くのメリットがあります。
禁煙開始後20分で血圧と脈拍が正常化し、8時間で血中一酸化炭素濃度が非喫煙者レベルに戻り、48時間で味覚・嗅覚が回復し始め、3か月以内に肺機能が約30%改善します。長期的には心臓病や肺がんのリスクも大幅に低下します。
※参考 : 禁煙開始からまだ間もない方へ《実行期編》
タバコの代わりになるものを上手に利用しながら、自分なりの工夫と強い意志で乗り越えていけば、禁煙は必ず成功できます。