禁煙を決意しても、紙巻きタバコを完全にやめるのはハードルが高いと感じる方は多いでしょう。
そこで「アイコス(IQOS)などの加熱式タバコを使えば、従来のタバコより害が少なく、禁煙が簡単になるのでは?」と考える方が増えています。
確かに加熱式タバコは紙巻きタバコに比べてタールの低減や副流煙の臭いが軽減されるなどのメリットがあります。
しかし「加熱式タバコ=禁煙に役立つ」と考えるのは早計かもしれません。
アイコスにもニコチンが含まれており、必ずしも「禁煙できている」とは言えないからです。
本記事では、アイコスで禁煙にチャレンジする際のメリット・デメリット、電子タバコ(VAPE)など他の代替手段との比較、そして禁煙を成功に導くためのコツや進め方を詳しくご紹介します。
「なるべく負担を少なく禁煙したい」「ニコチン依存をどうやって克服したらいいか分からない」という方の参考になれば幸いです。
アイコス(加熱式タバコ)はニコチンが含まれているため禁煙できているとは言えない
アイコスなどの加熱式タバコは、紙巻きタバコと比べて有害物質やタールの発生が少ないとされていますが、禁煙の観点からは完全な解決策とは言えません。
加熱式タバコにもニコチンが含まれているため、ニコチン依存の状態は続きます。
紙巻きタバコからアイコスに切り替えても、ニコチンへの欲求が収まらない限り、本当の意味での「禁煙」とは言えません。
確かに、タバコ特有の臭いの軽減や灰が出ないといったメリットはありますが、ニコチン依存の観点では状況が大きく変わるわけではありません。
ニコチンを摂取し続ける限り、身体や脳がニコチンに慣れ、依存の構造から抜け出しにくい状態が続きます。
したがって、アイコスを使用している状態は「禁煙」が完了しているとは言えず、あくまでも「紙巻きタバコから加熱式タバコへの移行」の段階にとどまります。
真の禁煙を目指すには、最終的にはニコチンを完全に断ち切る必要があります。
アイコス(加熱式タバコ)であっても禁煙が簡単ではない理由は「ニコチン」
アイコスのヒートスティックにはニコチンを含むタバコ葉が入っているため、ニコチン依存からの脱却は簡単ではありません。
以下では、ニコチンにまつわるデータを踏まえながら、アイコスを利用した禁煙がなぜ簡単ではないのか、より具体的に解説していきます。
ニコチン含有量が紙巻きタバコより少ないという公表データはない
アイコスを販売しているフィリップ モリス(PMI)は「アイコスはタールが出にくい」「紙巻きタバコより有害物質が減少する可能性がある」といった情報を公開しています。
一方で、アイコスのヒートスティックのニコチン含有量については、メーカーから明確な数値として公表されているわけではありません。
実際に、海外の一部研究では、加熱式タバコのニコチン濃度が紙巻きタバコと同程度、あるいはそれ以上の数値を示したケースも報告されています。
ただし「アイコスだからニコチン量が激減する」もしくは「全くニコチンを摂取しない」というわけではありません。
もし「アイコスならニコチンを大幅に減らせるから、簡単にやめられるかもしれない」と考えているならば、まずは「公表データはなく、ニコチン量が少ない証拠はない」という事実を認識しておくと良いでしょう。
加熱式タバコに切り替えた場合に禁煙成功率は大幅に低下するというデータはある
ニコチン依存症に関する研究によると、加熱式タバコや電子タバコなどニコチンを含む代替品を使用しながら禁煙を目指す場合、かえって禁煙成功率が低下する傾向があります。
これは、ニコチンが体内に供給され続けることで、「ニコチンへの欲求を断ち切る機会」が先延ばしになりやすいためです。
禁煙を成功させるには、最終的にニコチンを断つステップが不可欠です。
紙巻きタバコから加熱式タバコに移行しても、ニコチンが含まれている限り、脳や身体がニコチンを求め続けます。
「いつかはやめよう」と思っていても、ニコチン依存状態が維持されるため、結果的に禁煙までの道のりが長引く可能性があります。
アイコスなどの加熱式タバコは、紙巻きタバコの臭いやタールを避けるには一定の利点がありますが、「最終的にニコチンゼロの状態を目指す」という禁煙のゴールから見ると、必ずしも近道とは言えません。
禁煙成功のためには、ニコチンを完全に断つことを視野に入れた計画が重要です。
アイコス(加熱式タバコ)を使う禁煙のメリット
ニコチンをゼロにすることに強い不安がある方にとっては、「口寂しさの解消」や「タバコを持つ動作の習慣を続ける」という点で心理的なハードルを下げる効果があります。
ここでは、アイコスを使った場合に得られるメリットを2つ取り上げてご紹介します。
ニコチンが含まれており禁煙開始時の離脱症状を抑えることができる
禁煙を始めると、喫煙者の多くが体験するのが離脱症状(いわゆる禁断症状)です。
これはタバコを吸っていない時間が続くことで、身体からニコチンが切れてしまい、集中力の低下やイライラ感、眠気など様々な症状を引き起こす状態を指します。
紙巻きタバコからいきなり完全禁煙を目指す場合、ニコチンが一切補充されないため離脱症状が強く出ることがあります。
その点、アイコスを使う方法では、ニコチンが含まれるヒートスティックを吸えるため、突然ニコチンをゼロにする状態とは異なり、離脱症状を軽減する効果が見込めます。
「タバコを吸っている時の落ち着きを体験できないのが不安」「とりあえず紙巻きタバコからは離れたいけれど、完全禁煙はまだ怖い」という方には、心理的な負担を和らげる選択肢となるのです。
吸う動作によって口寂しさを紛らわせられる
もうひとつのメリットとして、アイコスを使うことで「タバコのように吸う動作」が継続できる点が挙げられます。
禁煙時の大きな障壁のひとつは「何かを吸って吐く」という行為の習慣から抜け出せないことです。
アイコスの場合は火を使わず、加熱ブレードでタバコ葉を熱して煙やエアロゾルを発生させますが、吸う・吐くという動作そのものは紙巻きタバコに近い感覚があります。
「タバコを吸うリズム」が残せることで、喫煙習慣からいきなり何もない状態になるよりもストレスを感じにくいというメリットがあります。
とにかく禁煙を継続する最初の段階で「口さみしさに耐えられず挫折する」リスクを下げる効果があると考えられます。
アイコス(加熱式タバコ)を使う禁煙のデメリット
一方で、アイコスに切り替えて禁煙を目指す方法にはデメリットも存在します。
ニコチンを含むためニコチン依存は治らない
アイコスを使用する最大のデメリットは「ニコチン依存が継続してしまう」点です。紙巻きタバコに比べてタールや一酸化炭素などの有害物質は減少する可能性がありますが、ニコチンが体内に入ることには変わりありません。
ニコチンは依存性が非常に高く、摂取し続ける限り「ニコチンが切れたら吸いたくなる」という欲求を抑えにくい状態が続きます。
紙巻きタバコはやめられても、アイコスを手放せない状態になる可能性があります。
禁煙を最終目標とするなら、いずれは「アイコスすら吸わない日常」を目指す必要がありますが、アイコスの使用を続けることで禁煙への道のりが遠のくことも考えられます。
「まずは紙巻きタバコをやめたい」という短期目標は達成できても、「ニコチンゼロの完全禁煙」という長期目標には時間がかかることを認識しておくべきでしょう。
機械の故障やメンテナンスの手間がかかる
加熱式タバコには専用デバイスが必要です。
アイコスの場合も、充電やクリーニングなどのメンテナンスが欠かせません。
さらに、デバイスの消耗品であるヒートスティックを常に用意しておく必要がありますし、長く使用していると加熱ブレードの故障やバッテリーの劣化が起きる可能性があります。
紙巻きタバコならば、ライターやマッチがあれば済むところ、アイコスの場合は本体デバイスの充電切れが起きると吸えません。
充電が切れた状態で急に吸いたくなった場合、すぐに対応できずにストレスが溜まるというケースも考えられます。
こうした機械的な手間やコストを負担しなければならないという点も、アイコスを使う際のデメリットと言えます。
アイコス(加熱式タバコ)を使った禁煙方法との比較
アイコスを使った禁煙は、紙巻きタバコをやめるための一つのステップとして利用できる可能性があります。
ただ、禁煙をサポートする手段は他にも存在します。
ここでは、同じく代替手段として人気がある「電子タバコ(VAPE)」や、医薬品である「ニコチンパッチ・ニコチンガム」を使った方法と比較しててみましょう。
電子タバコ(ベイプ)を使った禁煙との比較

電子タバコ(VAPE)は、リキッドを加熱して発生する蒸気を吸うタイプのデバイスです。
ニコチンを含まないリキッドを選ぶことができるため、段階的にニコチン摂取量を減らせる可能性があります。
しかし、ニコチン入りのリキッドが入手できる国・地域もあるため、ニコチン依存から脱却する目的で使用する場合は、きちんと「ニコチンゼロのリキッド」を選ぶことが重要です。
喫煙感覚を残しながらニコチンの摂取量が減らせる
電子タバコ(VAPE)はアイコスと同様に「吸う動作」があるため、口さみしさを紛らわせやすいのが特徴です。
また、ニコチンゼロのリキッドを活用すれば、身体にニコチンを取り込まない状態でも喫煙感覚を得られます。
とにかくタバコの動作が恋しくなってしまう方には、ニコチンゼロの電子タバコが「禁煙時の疑似体験」をサポートしてくれるでしょう。
もしニコチン入りのリキッドを扱うことができる環境にあるならば、リキッドのニコチン濃度を徐々に下げることで、より計画的にニコチン摂取量をコントロールしながら禁煙へ移行していく、という方法も考えられます。
ニコチンが含まれない電子タバコでは物足りない可能性もある
一方で、ニコチンを含まない電子タバコでは「キック感(喉にガツンとくる感じ)」が足りず、物足りなさを感じてしまう喫煙者も少なくありません。
結局、「イライラを解消するにはニコチンが必要だ」と判断してしまい、紙巻きタバコに戻ってしまうケースもあるでしょう。
また、VAPE(ベイプ)の場合はリキッドの充填やコイル交換、バッテリー管理など、アイコス以上に手間がかかる部分もあります。
機器のメンテナンスに負担を感じると、禁煙の継続意欲が下がりかねないので注意が必要です。
「ニコチンの摂取をどうコントロールするか」「どのような手間なら継続しても苦にならないか」を考えながら選択することが大切です。
ニコチンパッチ・ニコチンガムを使った禁煙との比較
ニコチンパッチやニコチンガムは、ドラッグストアや病院(禁煙外来)で入手できる禁煙補助薬(医薬品)です。
これらは紙巻きタバコやアイコスのように「吸って吐く」という行動を伴わないものの、身体にニコチンを供給する形で離脱症状を緩和しながら禁煙をサポートする点では共通しています。
ニコチンパッチ・ニコチンガムは医薬品なので計画的にニコチン量を減らすことができる
ニコチンパッチやニコチンガムは医薬品に分類されるため、パッケージや処方指示に従って使用すれば、一定期間の間にニコチンの量を段階的に減らしていくことができます。
たとえばニコチンパッチなら、貼る時間や濃度をコントロールし、少しずつニコチン依存から脱却するプログラムが組まれていることが多いです。
アイコスや紙巻きタバコを使い続けると、どうしても自分の裁量で「もう一本」「あと少しだけ」とニコチンを摂取しがちですが、ニコチンパッチやガムなら、比較的コントロールされた範囲でニコチンを補給できます。
医師や薬剤師の指導を受けながら行えば、より計画的に、禁煙成功へ近づくことも期待できます。
アイコス(加熱式タバコ)やタバコ特有の「吸って吐く」行動習慣の欲求が満たせない
一方で、ニコチンパッチ・ガムは「身体がニコチンを求める」という物理的な欲求には対応できますが、「タバコを吸って吐く動作をしたい」という行動習慣への欲求は満たせません。
「吸う動作が恋しい」「口寂しさが我慢できない」という人にとっては、パッチやガムだけでは禁煙のハードルが高い場合があります。
そのため「どうしても吸う動作がやめられない」という方にとっては、アイコスや電子タバコ(VAPE)のほうが、心理的な欲求を満たす可能性があります。
ただ、最終的に「吸う習慣」から離れたいのであれば、パッチやガムを使った禁煙プログラムが合理的な選択肢となるでしょう。
禁煙のコツと進め方を紹介
禁煙を成功させるには、単に「タバコをやめる」と意気込むだけでは不十分です。
ここからは、実践的な禁煙のコツや進め方について、ステップを踏まえながらご紹介します。
あらかじめ禁煙開始日と喫煙欲求への対処法を考えておく
禁煙を始める場合、まずは「いつから始めるのか」を具体的に決めることが重要です。
漠然と「そのうちやめたい」と思っているだけでは先延ばしになりがちなので、「来週の月曜日から」「○月○日から」など、スケジュール帳に記入してしまいましょう。
また、禁煙をスタートすると必ず「吸いたい欲求」と対峙する瞬間がやってきます。
そうしたときに「どう対処するか」をあらかじめ考えておくことで、衝動的な挫折を防ぎやすくなります。
「電子タバコ(VAPE)を手元に置いておく」「フリスクやガムを用意しておく」「深呼吸をしてやり過ごす」など、自分に合った対処法を準備しておくと良いでしょう。
なぜ禁煙を始めたのか動機をメモに書いておくと吸いたくなった時に初心に戻りやすい
禁煙中は、強い誘惑に駆られる瞬間がどうしてもあります。
そんなときに思い出してほしいのが「なぜ禁煙をしようと思ったのか」という原点です。
健康のため、家族に心配をかけたくないから、あるいはお金を節約したいから……理由は人それぞれでしょう。
これらの動機を紙に書き出し、財布の中やスマホのメモなど、いつでも見返せる場所に保存しておくと便利です。
喫煙欲求に負けそうになったときにそのメモを見返せば、「そうだ、自分はこれを達成したいからやめるんだ」と初心に返るきっかけを作りやすくなります。
電子タバコ(VAPE)は「吸って吐く」動作があるので喫煙の代替手段として最適
どうしても口寂しさや吸う動作の恋しさが捨てきれない方は、ニコチンゼロの電子タバコ(VAPE)を活用するのもおすすめです。
タバコのように吸って吐く行為を再現しつつも、リキッドにニコチンが含まれないものならニコチン依存を減らせる可能性があります。
味や香りが豊富に揃っているため、自分好みのフレーバーを見つける楽しみもあるでしょう。
禁煙を始める前に、あらかじめVAPE(ベイプ)本体やリキッドを用意し、操作方法やメンテナンスなどを確認しておけば、いざ禁煙開始時に戸惑うリスクも減らせます。
紙巻きタバコやアイコスを手放す際の「代替行動」として取り入れておけば、喫煙習慣を断ち切りやすくなるはずです。
吸いたい欲求が出てきたら事前に考えていた対処法を実践
禁煙スタート後は、避けて通れないのが「強烈な吸いたい欲求」です。
特に仕事の合間やリラックスしたい時など、これまでタバコを吸っていたタイミングになると、脳が「ニコチンを欲している!」と強く訴えてきます。
こうしたタイミングをあらかじめ想定して、具体的な対処法を準備しておくとスムーズです。
禁煙による眠気や頭痛が出てきたら無理せずに休憩を取る
禁煙による離脱症状として、眠気や頭痛、集中力の低下などが起こることがあります。
これは身体がニコチンの供給を絶たれて混乱しているサインとも言えますが、無理に我慢して仕事や作業を続けると、ストレスが一気に高まってタバコを吸いたい衝動を抑えにくくなるかもしれません。
このような症状が出たら、短い時間でもよいので休憩をとったり、深呼吸やストレッチをして気分転換を図りましょう。
身体が慣れてくるまでの間は、自分のペースを少し落とし気味にして、無理なく継続できるように工夫するのが長続きのコツです。
ニコチンゼロの電子タバコ(VAPE)で吸いたい欲求に対処する
「どうしても吸う動作をしたい」という衝動が出た場合、ニコチンゼロの電子タバコ(VAPE)やハーブ系の代替タバコなどを利用することで、喫煙行動の代替ができます。
「吸って吐く」という一連の動作だけでも意外と心理的な満足感を得られるものです。
ただし、ここでニコチン入りのアイコスや紙巻きタバコに戻ってしまうと、再びニコチン依存が強化されてしまう恐れがあります。
なるべくニコチンゼロの代替手段を上手に使って「ニコチンがなくても落ち着ける状態」を増やしていくことが、完全禁煙への近道になるでしょう。
一度失敗しても諦めずに再挑戦する
禁煙に挑戦したからといって、最初のトライで必ず成功できるとは限りません。
実際に「何度も失敗を経験しながら、最終的に成功した」という方は多くいます。挫折してしまったとしても、それを糧にして再挑戦すれば良いのです。
ニコチンが足りないと感じたら無理に我慢しすぎない
ニコチンの離脱症状があまりに辛い場合、無理に我慢しすぎるとかえって大きなストレスになります。
そうした時は、ニコチンパッチ・ニコチンガムなど医薬品の力を借りるのも一つの方法です。
あるいは一時的にアイコスに切り替えるなど、段階的にタバコから離れることを検討してみましょう。
「完全禁煙=一切のニコチン摂取を禁止」という厳しいルールを自己流で設定してしまうと、かえって挫折の原因になりかねません。
最終的にニコチンを断ち切ることがゴールだとしても、そこに至るプロセスは人それぞれです。
なぜ我慢できなかったかを分析する
禁煙に失敗したり、つい一本手を出してしまった時に大切なのは「自分はどんな状況で吸ってしまったのか」を振り返ることです。
仕事のストレスがピークに達した時なのか、飲酒中の気の緩みからなのか、友人からタバコを勧められたのか……原因を突き止めることで、次回同じような状況に遭遇した時にどう対処すれば良いのかが見えてきます。
原因が分かれば、事前に対策を講じることができます。
例えば「飲み会の時は席を離れるタイミングを決めておく」「ストレスが限界になる前に息抜きをする」など、小さな工夫を積み重ねて再び同じ失敗を繰り返さないようにすると、禁煙成功率は高まります。
アイコス(加熱式タバコ)での禁煙に関するよくある質問
禁煙は個人差が大きく、人によって感じ方や乗り越え方も様々です。
ここでは、アイコスなどを含む禁煙に取り組む方からよくある質問を取り上げ、その一般的な回答やヒントをお伝えします。
禁煙が一番辛いのは何日目ですか?
多くの場合、禁煙開始後の3日目から1週間目くらいまでが離脱症状のピークと言われています。
これは身体がニコチン切れを起こし、脳が「ニコチンが足りない!」と強く信号を発する時期だからです。
イライラや落ち着きのなさ、頭痛や眠気などが出やすいため、ここを乗り越えるのが大きな山場になります。
ただし個人差も大きいため、人によっては初日の夜から強い辛さを感じたり、逆に1週間ほど経ってからタバコを欲するケースもあります。
大切なのは、この辛い時期が永遠に続くわけではないと理解することです。
1~2週間ほどを踏ん張れば、徐々に離脱症状は和らいでいきます。
禁煙中の寝起きにタバコが吸いたくなった場合の対処法は?
寝起きのタバコは、喫煙者にとって「身体に染み付いた習慣」になっている場合が多いです。
朝起きてまず一服、という流れで1日のスタートを切っていた方にとって、いきなりそれを断ち切るのは容易ではありません。
おすすめなのは、起きてからすぐの行動習慣を変えることです。
例えば「コップ一杯の水を飲む」「すぐにシャワーを浴びる」「朝食をとる」など、新しいルーティンを取り入れてみましょう。
電子タバコや禁煙補助グッズなどを手元に置いておくのも一つの方法です。
タバコを吸いたい気持ちが高まる前に何かしらの行動で気を紛らわせることで、寝起きのタバコを避けやすくなります。
禁煙の手段としてフリスクは有効ですか?
フリスクやガム、飴などは「禁煙補助製品」というわけではありませんが、「口寂しさをごまかす」「気を紛らわせる」手段としては有効な場面があります。
特に「口がヒマになると吸いたくなる」というタイプの人には、何かを噛む・舐めるといった行為が役立つことがあるでしょう。
ただしフリスクだけではニコチンの離脱症状を軽減することはできません。
あくまでも「喫煙習慣の代替行動」として割り切る必要があります。
強い禁断症状やイライラを感じるなら、ニコチンパッチやガム、電子タバコなど、より直接的にニコチン依存をコントロールする手段を併用することを検討してみてください。
まとめ
アイコス(加熱式タバコ)は、紙巻きタバコに比べて有害物質が少ないとされますが、ニコチンを含むため、完全な禁煙とは言えません。
アイコスへの切り替えだけでは、ニコチン依存から抜け出せません。
しかし、「煙やタールの軽減」「離脱症状の緩和」「吸う動作による心理的負担の低減」などのメリットがあり、完全禁煙への過渡期として活用できる可能性があります。
特に、急な禁煙が難しい人や、まずは紙巻きタバコから離れたい人にとっては選択肢の一つになるでしょう。
最終的な目標は「ニコチンゼロの完全禁煙」です。アイコスを使用しながら、他の禁煙補助製品と組み合わせて段階的にニコチン量を減らし、最終的には喫煙習慣から卒業することを目指しましょう。
禁煙は長期戦になりやすいですが、焦らず着実に前進することが大切です。