VAPE(ベイプ)は近年注目を集めている新しい喫煙スタイルですが、「体に悪いのでは?」「デメリットはないの?」と不安に思う方もいるのではないでしょうか。
紙巻きタバコや加熱式タバコと比べて有害物質が少ないと言われるVAPE(ベイプ)ですが、完全に安全とは言い切れないのも事実です。
本記事では、VAPE(ベイプ)の基本的な仕組みや特徴、紙巻きタバコ・加熱式タバコとの違いを解説し、VAPE(ベイプ)のデメリットとメリットをそれぞれ詳しくご紹介します。
健康面や周囲への影響、コストなどの観点で紙巻きタバコ・加熱式タバコとの比較も行い、VAPE(ベイプ)のデメリットを減らして安全に楽しむコツやマナーについて提案します。
VAPE(ベイプ)とは?紙巻きタバコ・加熱式タバコとの違い
はじめに、VAPE(ベイプ)とは何か、その仕組みと特徴について確認しましょう。また、従来の紙巻きタバコや近年普及している加熱式タバコとの違いも押さえておきます。
VAPE(ベイプ)の仕組みと特徴
VAPE(ベイプ)は、香り付きのリキッド(液体)を電気で加熱して蒸気に変え、それを吸引する電子機器式の喫煙デバイスです。タバコ葉を使用しないため、紙巻きタバコに含まれるタールや一酸化炭素を発生させません。
基本構造は「バッテリー」と「アトマイザー」の2つの部分で構成されています。バッテリーが電力を供給し、アトマイザー内のコイルがリキッドを加熱して蒸気を発生させる仕組みです。
リキッドの主成分はプロピレングリコール(PG)と植物性グリセリン(VG)、そして香料です。これらは食品添加物としても使われる成分で、人体への悪影響は少ないとされています。日本国内で販売されているリキッドは法律上ニコチンを含んでいないため、基本的にニコチン0・タール0です。
VAPE(ベイプ)には、リキッド式、POD式、使い捨て式など様々なタイプがあり、好みやライフスタイルに合わせて選べる点が大きな魅力です。
紙巻きタバコとの違い
VAPE(ベイプ)と紙巻きタバコの最大の違いは、タバコ葉を燃焼させるかどうかという点です。紙巻きタバコはタバコ葉を燃やして煙を吸いますが、VAPE(ベイプ)はリキッドを電気で加熱して蒸気を発生させます。
紙巻きタバコの煙には約7,000種類の化学物質が含まれ、そのうち250種類以上が有害物質、70種類以上が発がん性物質とされています。特にタール、一酸化炭素、ニコチンなどが健康に悪影響を及ぼします。
一方、VAPE(ベイプ)はタバコ葉を燃やさないためタールや一酸化炭素が発生せず、有害物質の総量も紙巻きタバコより大幅に少ないことが研究で示されています。
また、紙巻きタバコは強い臭いが残りますが、VAPE(ベイプ)の蒸気は香りこそあるものの嫌な臭いは少なく、すぐに消えるのも特徴です。
加熱式タバコとの違い
VAPE(ベイプ)と加熱式タバコの最大の違いは、タバコ葉を使用しているかどうかです。
加熱式タバコ(アイコス、グロー、プルームテックなど)はタバコ葉を使用しており、法律上「タバコ製品」に分類されます。一方、VAPE(ベイプ)はタバコ葉を使わず、リキッドを電気で加熱して蒸気を発生させる仕組みです。
この違いから、加熱式タバコにはニコチンやタールが含まれますが、日本国内で販売されているVAPE(ベイプ)にはこれらが含まれていません。そのため、VAPE(ベイプ)は健康リスクが比較的低いと考えられています。
また、加熱式タバコはタバコ税の対象となるため値上げリスクがありますが、VAPE(ベイプ)は「雑貨」として扱われるためタバコ税の影響を受けません。
法規制上も、加熱式タバコは受動喫煙防止法の規制対象ですが、VAPE(ベイプ)は対象外となっています。
VAPE(ベイプ)のデメリット:体に悪いってほんと?知っておきたい注意点を解説
VAPE(ベイプ)は有害物質が少ないとはいえ、「全く体に悪くない」と言い切ることはできません。ここでは、VAPE(ベイプ)を利用する上で知っておきたいデメリットや注意点を解説します。
長期的な健康影響は未解明で「完全に安全」ではない
VAPE(ベイプ)の長期使用による健康影響はまだ十分に解明されていません。
紙巻きタバコは数十年の研究で健康リスクが確立していますが、VAPE(ベイプ)は歴史が浅く、20〜30年後の影響については不明な点が多いのが現状です。
イギリスの公衆衛生庁は「電子タバコ(VAPE)は紙巻きタバコよりも95%以上安全」と結論づけていますが、英国王立医師会は「将来的に未知の問題が発生する可能性を考慮し、VAPE(ベイプ)の長期的なリスクは喫煙のリスクの5%以下」と慎重な見方をしています。
イタリアのカターニャ大学の3.5年間の追跡研究では「喫煙経験のない電子タバコ(VAPE)使用者に健康被害は見られなかった」という結果が出ていますが、WHOは「長期的な健康影響については未だ明らかになっていない」と指摘しています。
一部の有害物質はゼロではないため注意が必要
VAPE(ベイプ)は紙巻きタバコに比べて有害物質が圧倒的に少ないものの、完全にゼロではありません。
リキッドを加熱する際の蒸気中には、微量ながらホルムアルデヒドやアセトアルデヒドといった発がん性物質が含まれる場合があります。
ただし、その量は紙巻きタバコと比較すると非常に少なく、例えばホルムアルデヒドは紙巻きタバコの6~50分の1程度という分析結果もあります。イギリスの公衆衛生庁は「電子タバコ(VAPE)は従来のタバコの5%以下の有害性しか認められない」と発表しています。
注意すべき点として、高電圧で過熱した場合や乾いたコイルで空焚きした場合には、通常より多くの有害物質が発生する恐れがあります。適切な使用方法とメンテナンスを守ることで、リスクをさらに低減できるでしょう。
リキッドやカートリッジの品質にばらつきがある
VAPE(ベイプ)のデメリットとして見逃せないのが、製品やリキッドの品質にばらつきがある点です。
市場には様々なメーカーの製品が出回っていますが、中には品質管理の甘い粗悪品も存在します。例えば「ニコチン0」と表示されたリキッドから実際にはニコチンが検出されたケースがあります。
2018年には東京都福祉保険局の調査で、HiLIQのタバコゴールドからニコチンが検出され、製造元の調査によると香料の製造販売会社がニコチン除去工程を省略していたことが判明しました。
また、リチウムイオン電池を使用したベイプデバイスは、品質が悪いと発火事故の危険性もあります。
安全に使用するためには、国内の信頼できるメーカーの製品を選ぶことが重要です。日本製のVAPE(ベイプ)は安全基準が高く、成分検査も徹底されているものが多いです。
社会的な理解とマナーには気を付ける必要がある
VAPE(ベイプ)利用者は社会的なマナーに特に注意が必要です。
法律上、VAPE(ベイプ)は2020年に施行された改正健康増進法(受動喫煙防止法)の規制対象外となっています。これはベイプがタバコ葉を使用しないため「たばこ製品」に分類されないからです。
しかし実際には、多くの公共施設や飲食店、オフィスビルなどでは独自のルールでVAPE(ベイプ)も紙巻きタバコと同様に禁煙と扱っているのが一般的です。「法律で禁止されていないからどこでも吸える」という考え方はマナー違反です。
また、VAPE(ベイプ)の蒸気には微量の有害物質が検出されており、子供や妊婦、呼吸器疾患のある人の近くでは使用を控えるべきです。
VAPE(ベイプ)のメリット:注目されている理由を解説
VAPE(ベイプ)にはデメリットだけでなく、多くのメリットもあります。ここでは、VAPE(ベイプ)の代表的なメリットについて詳しく解説します。
有害物質が紙巻きタバコ・加熱式タバコより圧倒的に少なく、健康リスクが低い
VAPE(ベイプ)の最大のメリットは有害物質の少なさによる健康リスクの低減です。
紙巻きタバコの煙には約5,300種類の化学物質(うち約70種類が発がん性物質)が含まれていますが、VAPE(ベイプ)の蒸気に含まれる化学物質はそれと比べ物にならないほど少ないです。
また日本国内で販売されているVAPE(ベイプ)はタバコ葉を使用していないため、紙巻きタバコの三大有害物質であるニコチン、タール、一酸化炭素が含まれていません。
イギリス保健省の研究では「電子タバコ(VAPE)は一般的なタバコと比較して健康への悪影響を与える成分が95%も少ない」という結果が示されています。
ただし、VAPE(ベイプ)は「無害」ではなく「より低害」である点は忘れないでください。あくまで「タバコを吸っている人が、それよりリスクの低い代替手段として選ぶ価値がある」という位置づけです。
健康増進の観点からは、ニコチン・タバコ製品を一切使用しないのが最善です。
周囲への受動喫煙リスクが低い
VAPE(ベイプ)は周囲への受動喫煙リスクが低いことも大きなメリットです。紙巻きタバコは点火部から立ち上る副流煙や喫煙者が吐き出す呼出煙により、近くにいる人も有害物質を吸い込んでしまいます。
一方、VAPE(ベイプ)は燃焼しないため副流煙を発生させません。吸う人が吐き出した呼出エアロゾル(蒸気)だけが周囲に出ますが、この蒸気は粒子が細かく短時間で拡散・消失します。
研究によれば、VAPE(ベイプ)使用時の室内空気中の有害物質濃度は紙巻きタバコの約1/10以下で、タバコ特有の燃焼性毒物はほとんど検出されていません。
ただし、「リスクが低い=皆無ではない」点には注意が必要です。周囲の人によっては、ベイプの蒸気でも不快に感じたり喘息などの症状を誘発したりする可能性があります。
特に子どもや妊婦の近くでは遠慮するのがマナーです。受動喫煙リスクが低いとはいえ、周囲への配慮は忘れないようにしましょう。
ランニングコストが安くて経済的に楽しめる
VAPE(ベイプ)は初期費用こそデバイス代がかかりますが、長期的に見ると紙巻きタバコや加熱式タバコよりも圧倒的にコストが安く済みます。
紙巻きタバコは1箱600円前後で、1日1箱吸えば月に約18,000円、年間では約219,000円にもなります。一方、VAPE(ベイプ)の場合は月々のランニングコストが大幅に抑えられます。
VAPE(ベイプ)の主な消耗品はリキッドとコイルです。リキッドは15mlで1,000円程度、コイルは1個あたり200~700円程度です。
一般的な使用量では、リキッドは1ヶ月に60mlほど、コイルは2週間~3週間に1個の交換が目安となります。これらを合計すると、月々のランニングコストは約3,000~5,000円程度となり、紙巻きタバコの約5~6箱分で済みます。
リキッドとコイルを合計したVAPE(ベイプ)の年間ランニングコストは約62,000円となり、約18万円の加熱式タバコに比べれば圧倒的にお得です。どのタイプを選んでも、紙巻きタバコと比べれば大幅な節約になります。
フレーバーが豊富で嗜好に合わせて楽しめる
VAPE(ベイプ)が人気を集める大きな理由の一つは、フレーバーの多様さです。
紙巻きタバコや加熱式タバコが限られた味しか提供できないのに対し、VAPE(ベイプ)のリキッドは驚くほど豊富な種類があります。フレーバーは、タバコ系、メンソール系、ドリンク系、フルーツ系、スイーツ系の5つのタイプに分けられます。
DR.VAPEのような人気ブランドでは、ワイルドビター(タバコ風味)、クラシックスモーク、ミントメンソール、ピュアアップル、ジューシーマスカット、リラックスバニラなど9種類ものフレーバーを提供しています。
禁煙を目指す方にはタバコ風味が心理的なサポートになりますし、フルーツ系の甘い香りは初心者にも親しみやすいと評判です。フレーバーが豊富だと飽きにくく、気分によって味を変えられるのも魅力の一つです。
嫌な臭いが圧倒的に少ない
VAPE(ベイプ)の大きなメリットは嫌な臭いがほとんどないことです。
紙巻きタバコは髪や衣服、部屋のカーテンや車内などに強いタバコ臭が染みつきますが、VAPE(ベイプ)の蒸気は水分とグリセリンが主成分で、香料の匂いも時間が経てばすぐ消えます。
部屋でVAPE(ベイプ)を吸っても黄ばみやヤニ臭がこびり付くことはなく、車内でも窓を少し開けておけば嫌な臭いが残りません。喫煙後の息や体からもタバコ特有の臭いがしなくなり、口臭や歯のヤニ汚れも減ります。
特に家族がいる方にとって、臭いの少なさは重要です。紙巻きタバコは「三次喫煙」の懸念もありますが、VAPE(ベイプ)はタール等を出さないため残留臭の心配がありません。
室内で吸っても換気すれば直ぐに無臭になるので、掃除や消臭の手間もかかりません。
VAPE(ベイプ)・紙巻きタバコ・加熱式タバコのメリット・デメリット比較まとめ
ここまで、VAPE(ベイプ)のデメリットとメリットをそれぞれ詳しく見てきました。以下の表にそれぞれのメリット・デメリットをまとめます。
有害物質と健康リスクの比較
VAPE(ベイプ)はリキッドを電気で加熱するため、紙巻きタバコに比べてタールや一酸化炭素が発生しないのが特徴です。
一方、紙巻きタバコは燃焼によって多数の有害物質が生じ、肺がん・心疾患など多方面でリスクが高いとされています。
加熱式タバコは温度を低めに抑えることで有害物質がやや少ない傾向がありますが、タバコ葉を使用するためニコチンによる健康リスクが残る点に注意が必要です。
VAPE(ベイプ)も微量の有害化学物質を含む可能性があるため、過信せず適切に利用しましょう。
受動喫煙影響の比較
紙巻きタバコは強い煙を放出するため、副流煙には多数の有害物質が含まれ、周囲の人も健康被害を受けやすいのが難点です。
加熱式タバコでも燃焼こそ起こりませんが、吐き出されるエアロゾルに微量のニコチンや化学物質が残り、受動喫煙リスクがゼロにはなりません。
一方、VAPE(ベイプ)はタールを含まず水蒸気を中心とした蒸気を排出するため、受動喫煙への悪影響が他のタバコ製品より大幅に少ないと見られています。
ただし、社会的マナーへの配慮は不可欠です。
コストの比較
紙巻きタバコの価格は年々上昇しており、1箱あたり500~600円程の出費が続くことになります。加熱式タバコも専用スティックの価格は紙巻きタバコと同程度のため、ランニングコストはあまり変わりません。
一方でVAPE(ベイプ)は初期費用こそデバイス購入が必要ですが、リキッドやコイルなどの消耗品を定期的に交換するだけなので、長期的には紙巻きタバコより安価になりやすいです。
味やカスタマイズ性なども含めて、コストパフォーマンスの高さが注目されています。
VAPE(ベイプ)のデメリットを減らして安全に楽しむためのコツ

VAPE(ベイプ)を安全に楽しむためには、いくつか利用者が気を付けるべきポイントがあります。ここでは、VAPE(ベイプ)のデメリットを最小限に抑えるための具体的なコツを4つお伝えします。
信頼できる製品を選ぶ
VAPE(ベイプ)を安全に楽しむには、信頼性の高いメーカー・ブランドの製品を選ぶことが最も重要です。
購入時のポイントとして、まず実績のあるブランドかどうかを確認しましょう。販売数が多くレビュー評価も高いブランドは品質管理もしっかりしている傾向があります。
次に、リキッドのパッケージに成分表示や製造元情報が明記されているか確認してください。日本では薬機法によりニコチンを含むリキッドは販売が禁止されているため、国内正規品であればニコチンフリーであることが明記されているはずです。
また、デバイス本体には電気用品安全法に基づくPSEマークが付いているか確認することも大切です。非正規品や模造品は避け、公式サイトや信頼できる店舗から購入するようにしましょう。
適切なメンテナンスを行う
ベイプデバイスは定期的なメンテナンスが重要です。適切なお手入れを怠ると味の劣化だけでなく、故障や事故の原因にもなります。
コイルやカートリッジの交換時期を守りましょう。焦げた味がしたり風味が落ちてきたらコイル交換のサインです。リキッド式なら2~4週間、POD式なら使い切りごとが目安です。劣化したコイルを使い続けるとドライヒットを起こし、有害物質が増えることがあります。
また、週に1回程度のアトマイザー部分の清掃や、リキッド補充時にコイルに十分染み込ませる時間を取ることも大切です。バッテリー部分は絶対に水に濡らさないよう注意してください。
吸引中に咳や胸の不快感があれば無理せず休止
VAPE(ベイプ)を始めたばかりの頃や、フレーバー・デバイスを変えたときに、喉がイガイガしたり咳き込んだりすることがあります。これは紙巻きタバコとは吸い方の感覚が異なるためで、初心者がむせてしまうのは珍しくありません。
むせる主な原因は、吸引力が強すぎる、デバイスの出力が高すぎる、PGに対するアレルギー反応などです。対策としては、ゆっくり穏やかに吸う(口の中で蒸気を味わう方法)、空気穴を調整する、POD式などマイルドな機種から始めるなどが効果的です。
違和感が強い場合は使用を中止し、水分を摂って休息しましょう。胸痛や息切れなど異常症状が出たら、すみやかに医師の診察を受けてください。
周囲への配慮を気を付ける
VAPE(ベイプ)を楽しむ上で、周囲へのマナー配慮は常に意識しましょう。法律上はVAPE(ベイプ)は受動喫煙防止条例の対象外とされていますが、実際には多くの場所で紙巻きタバコと同様の扱いを受けています。
基本的には喫煙所や喫煙席での使用をおすすめします。東京都への調査によると、VAPEは受動喫煙防止条例の対象外ですが、だからといってどこでも吸って良いわけではありません。見た目は煙を吐くため、周囲の人に不快感を与える可能性があります。
同席者がいる場合は「電子タバコですが、よろしいですか?」と一声かけることで印象が変わります。また、蒸気を人に向けないよう風下を向いたり、上方にゆっくり吐くなどの工夫も効果的です。
匂いの強すぎないフレーバーを選び、未成年者の前では控えるなど、「タバコよりマシだから」という考えではなく、むしろ「タバコと同様かそれ以上にマナーを守る」という心構えが大切です。
VAPE(ベイプ)のデメリットに関連するよくある質問
VAPE(ベイプ)を吸うと肺に水がたまるって本当?
いいえ、VAPE(ベイプ)を吸っても肺に水がたまることはありません。これは科学的根拠のない噂です。
肺には多数の毛細血管があり、吸い込んだ蒸気は体内に吸収されるか呼気として排出されます。これは喘息患者が使用するネブライザーと同じ原理で、ネブライザーでも大量の水蒸気を吸入しますが肺に水は溜まりません。
また、VAPE(ベイプ)の蒸気は単なる水ではなく、主に食品添加物として使われるプロピレングリコールとグリセリンという成分です。これらは肺内で水分として溜まることはなく、体内に吸収されるか排出されます。
この噂が広まった理由は、VAPE(ベイプ)が通常のタバコと異なり水蒸気を吸うシステムのため、その違いに過敏になって心配された結果と考えられます。
ただし、吸い方によっては喉に違和感を感じることがあるので、ゆっくり穏やかに吸うなどの工夫をしてみましょう。
VAPE(ベイプ)に依存性はある?
VAPE(ベイプ)の依存性はニコチン含有の有無で大きく異なります。ニコチンは強い依存性がある物質ですが、日本国内で販売されているVAPE(ベイプ)製品は基本的にニコチン0なので化学的な依存性はありません。
ただし、ニコチンがなくても「吸って吐く」行為や喉に感じるキック感に心理的・習慣的な依存が生じる可能性はあります。これはカフェインやアルコールの習慣に近いレベルのもので、ニコチン依存のような強い渇望感を伴うものではありません。
2025年の研究でも、ニコチンなしベイプの健康被害は確認されていないとネイチャー誌で報告されています。ニコチンなしベイプなら「今日は吸うのやめよう」と思えば比較的簡単にやめられるでしょう。
VAPE(ベイプ)のグリセリンに害はある?
VAPE(ベイプ)の主成分である植物性グリセリン(VG)は、通常の使用では大きな害はないとされています。VGは食品添加物や化粧品、医薬品にも広く使われており、経口摂取での安全性は確立されています。
ただし注意点もあります。研究によれば、VGが高温で加熱されると発がん性物質が生成される可能性がありますが、VAPE(ベイプ)はそこまでの高温にはならないため心配は少ないとされています。
また、プロピレングリコール(PG)とVGの吸入は、特に喘息や肺疾患のある人では刺激となり、咳や息苦しさを引き起こす場合があります。
イギリス保健省の発表では、VAPE(ベイプ)は紙巻きタバコと比較して健康への悪影響を与える成分が95%少ないという研究結果も示されています。適切な温度管理されたデバイスで通常量を使用する限り、リスクは低いと考えられます。
VAPE(ベイプ)のおすすめを教えて
初心者には DR.VAPE(ドクターベイプ)がおすすめです。累計販売本数2,000万本を突破した人気ブランドで、ニコチン・タール・副流煙ゼロの安心設計です。
カートリッジを差し込むだけの簡単操作で、メンテナンス不要。9種類のフレーバーがあり、β-カリオフィレン配合タイプとベーシックタイプから選べます。2024年2月発売の「Model 3」では、天然由来のβ-カリオフィレンを配合し、リラックス効果も期待できます。
価格は本体4,280円、カートリッジはβ-カリオフィレン入りが990円、ベーシックタイプが880円。コンビニでも購入できるアクセスの良さも魅力です。
VAPE(ベイプ)で禁煙は意味がない?
イギリスの研究では、VAPE(ベイプ)が禁煙に効果的であるという結果が示されています。
ロンドン大学の研究によれば、VAPE(ベイプ)は喫煙行動を模倣できるため、禁煙を試みる際の心理的サポートになるとされています。実際に、イギリスでは2011年から2016年の間に禁煙成功者が14%から23%に急増しました。
一方で、日本の国立がん研究センターの調査では、電子タバコを使用した人は使用しなかった人と比較して禁煙成功率が38%低いという結果が出ています。この相反する結果は、研究対象となる電子タバコの種類や含有成分の違い、また研究手法の違いによるものと考えられます。
禁煙を目指す方は、これらの研究結果を踏まえつつ、自分の状況や嗜好に合った方法を選ぶことが重要です。医療専門家と相談しながら、最適な禁煙アプローチを見つけることをおすすめします。
まとめ
ベイプ(VAPE)は紙巻きタバコや加熱式タバコに代わる新世代の喫煙デバイスです。
タールや一酸化炭素などの有害物質が少なく、臭いも控えめで周囲への影響が少ないというメリットがあります。また、多様なフレーバーを楽しめ、経済的なコストメリットもあります。
イギリス保健省の研究では、VAPE(ベイプ)は一般的なタバコと比較して健康への悪影響を与える成分が95%も少ないとされています。一方で、長期的な健康影響については未だ不明な部分があり、日本の研究では禁煙成功率に否定的な結果も出ています。
健康を守るための最善策は何も吸わないことですが、それが難しい方にとって、VAPE(ベイプ)は一つの選択肢となるでしょう。正しい知識を持って使用することが大切です。